遺産分割の調停と審判
- どうしても遺産分割協議がまとまらない
- 話合いが堂々めぐりで一向に進まない
- 相続人の一部が、そもそも話し合いに応じてくれない
このような場合は、遺産分割調停を家庭裁判所に申立てる方法があります。調停を申し立てるべきか、交渉を続けるべきか、判断が難しい場合は、専門家である弁護士に相談されると良いでしょう。
また、上記のような状況で、逆に他の相続人から調停を申し立てられることがありますが、いきなり調停を申し立てられた側は戸惑ってしまいます。そのような場合も、弁護士にご相談ください。
遺産分割調停の申立をしたほうが良い場合
- 遺産分割協議を当事者間で進めてみたが、ある1人の相続人が自分の取り分を多くしたいといってまとまらない
- 実家の不動産を長男が取得すること自体は異存ないものの、その評価額に争いがある
- 被相続人から生前贈与を受けた相続人がいるのだが、その相続人自身は生前贈与を認めようとしない
- 相続人の1人が親の介護をしたから「寄与分」があるはずだと主張し続けている
上記のような場合に、遺産分割調停の申立を行うと、遺産分割が進みやすくなります。
遺産分割調停の申立をお考えの方へ
調停にあたっては、弁護士に事前にアドバイスを受けるか、代理人になってもらって、調停に出てもらうのが良いでしょう。
また、調停の相手方が弁護士をつけてきた場合には、プロ対素人の構図になってしまい、不利になってしまう場合が多いと思われます。その場合は、こちらも弁護士をつけられることをお勧めいたします。
しかしながら遺産分割調停に移行しても、最終的な問題解決までの時間が非常に長くなってしまうことも事実です。
当事務所が扱ってきた事案でも、多くの案件は1年以内に解決することができているのですが、中には調停の申立から最終的な解決まで3年以上要した事案もございました。そのような事案では、ご依頼者の方がとても精神的に辛い思いをされ続けている姿を見ると、とてもやるせなくなることもございます。
遺産分割調停はあくまで、交渉がどうしようもなくなった際に利用する手段です。
当事務所ではできるだけ交渉で遺産分割を終えることをお勧めしています。ご家族の仲を悪化させてしまう調停に進展する前に、できるだけお早目のご相談をお待ちしております。
遺産分割調停を申し立てられてしまった方へ
遺産分割協議を進められているときに、突然、遺産分割調停の申立を受けた旨が記載された郵便物が裁判所から特別送達にて送られてくる場合があります。
その場合、決して無視をせず、または焦って性急な対応をせずに、法律の専門家である弁護士にご相談ください。
特に、当事務所の弁護士は相続に積極的に取り組んでおり、そのような遺産分割調停を突然申し立てられてしまった方の対応の経験が豊富にあるため、安心してご相談いただけます。
調停は話し合いの場ですので,柔軟に早期の解決を図ることができたり,予想以上に相手方から譲歩を引き出すことができたりする場合もあります。他方で審判では,もはや対立関係が深刻となってしまい,そのようなことが望めないことも少なくありません。
遺産分割調停を弁護士に依頼するメリット
調停では法的知識を非常に強く要求される点、調停委員を介した交渉が大変である点、調停の都度裁判所に赴かなければならない点などから、調停の段階で弁護士に依頼するメリットは大きいでしょう。
調停を有利に進めるためには、いかに調停委員に納得してもらえるように、証拠を用い、主張を組み立てるか、ということが重要になります。
その際、当然、審判に移行することを想定して、主張を組み立てることが重要となります。
そのような主張の組み立てについて、相続に積極的に取り組み、実績の多い弁護士が熟知しているので、よほどご自身の法的知識が豊富で、交渉力に自信がない限りは、弁護士に依頼されることをおすすめいたします。
遺産分割審判とは
遺産分割の調停が不調に終わった場合、自動的に審判手続に移行します。
遺産分割審判では、1か月から2か月に1回のペースで、通常1~2年、長ければ3年以上かかります。
審判では、裁判官が、双方の主張を聞いたうえで、審判を下します。審判に不服がある場合は、2週間以内に抗告する必要があり、時間的な制約も存在するため、できるだけご本人ではなく、法律の専門家である弁護士に依頼したほうが良いことが多いです。
遺産分割審判が発生したら、必ず弁護士に相談しましょう。